■会期 2013年4月20日[土]~5月11日[土]
14:00-19:00 火・水休み
エルウィン・パノフスキーは『〈象徴形式〉としての遠近法』において、無限で連続的で等質的な作品空間が成立する条件として視点の固定を挙げると同時に、それが知覚に基づく空間認識とは異質であることを指摘している。遠近法を用いようと用いまいと、世界を対象として把握しようとする(比喩としての「窓」)ならば、視点は固定されるより他はないだろう。この空間からは時間が追放されている。だが、実際には、世界は純粋な空間として把握されているわけではない。本来、視点は時間の中で移動していく。その集積や忘却や抑圧などが折り重なって世界は認識されていく。本展に出品する三人のアーティストは、作品成立の契機として自身の身体を伴った視点の移動を導入する。それは何も特別なものではない。生活の中での歩く行為と直結するものであり、そこでの世界認識が作品を生み出していく。それは、「窓」から眺められる世界の作品化とは対極にあるものだ。世界は主体から切り離されて対峙する関係ではなく、主体が世界に包含される関係を形成することになる。本展では、上記のような前提のもとに、三人の作品を通して歩くことについて考えてみたいと思っている。
白石晃一 | |
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1980 | 新潟県出身。長岡造形大学で金属工芸をでを学ぶ。 |
2008~ | 京都造形芸術大学ウルトラファクトリーに勤務。関西に拠点を移し制作活動を行う。多様な複合素材で、虹を作る装置や二足歩行ロボなどキネティックな作品を制作し、パフォーマンスとして発表する。 |
主な展覧会 | |
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2005 | Korea Japan contemporary art festival」蔚山,韓国 |
2007 | AMUSE ARTJAM 2007 in Kyoto」ヤノベケンジ賞 京都文化博物館,京都 |
2010 | ヤノベケンジ×ウルトラファクトリー「MYTHOS」展 発電所美術館, 富山 |
2011 | おおさかカンヴァス推進事業Osaka Canvas Project 大阪 |
2012 | ULTRA FACTORY CHOROBO Lob. ニコニコ学会β@ニコニコ超会議 幕張メッセ,千葉 |
林勇気 | |
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1976 | 京都生まれ |
1997 | 映像の制作をはじめる |
現在、宝塚大学造形芸術学部准教授 |
主な個展 |
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2007 | gallery neutron(京都) |
2008 | 世田谷ものづくり学校 IID gallery(東京) |
2009 | neutron tokyo(東京) |
2010 | ギャラリーヤマキファインアート (神戸) |
2011 | 兵庫県立美術館(神戸) |
2012 | 南山城村AIR 青い家(京都) |
主なグループ展など |
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2002 | 「イメージフォーラムフェスティバル」 (新宿パークタワー / 東京、横浜美術館 / 神奈川、他) |
「バンクーバー国際映画祭」(カナダ) |
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2003 | 「STARTART001」(細見美術館 / 京都) |
「香港国際映画祭」(香港) |
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2004 | 「アウト ザ ウインドウ」
(国際交流基金フォーラム / 東京、Project Space ZIP /
韓国) |
2006 | 「トロント・リール・アジアン国際映画祭」(カナダ) |
2007 | 「トランスメディアーレ」(ドイツ・ベルリン) |
「新進アーティストの発見in あいち」
(愛知芸術文化センター / 愛知) |
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2008 | 「Art Court Frontier 2008 #6」
(アートコートギャラリー / 大阪) |
2009 | 「Re:membering Next of Japan」
(Doosan art center, Gallery loop / 韓国) |
「migratory - 世界に迷い込む - 」
(アートコートギャラリー / 大阪) |
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「白昼夢 Daydream」
(愛知県美術館ギャラリー H, I 室 / 愛知) |
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2010 | 「ふれて / みる」(中京大学 Cスクエア / 愛知) |
2011 | 「human-frames」
(Kunst im Tunnel、他/ドイツ、シンガポール) |
「moving」(京都シネマ、アートフェア京都 / 京都) |
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「Drawing Exhibition ドローイングの距離」
(CAP STUDIO Y3 / 神戸) |
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2012 | 「恵比寿映像祭 フィジカルの映像」
(BYTにて参加 東京都写真美術館 / 東京) |
「映像芸術祭 MOVING」 (Social Kitchenにて個展、他/ 京都市内) |
主な受賞 | |
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2002 | 「イメージフォーラムフェスティバル」 審査員特別賞 受賞 |
2006 | 「トロント・リール・アジアン国際映画祭」Wallace Most |
Innovative Film or Video Production Award 受賞 |
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「AMUSE ART JAM」 準グランプリ 受賞 |
山村幸則 | |
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1972 | 神戸市生まれ |
1994 | 大阪芸術大学芸術学部工芸学科陶芸コース卒業 |
2005 | 国立オスロ芸術大学芸術学部大学院修士課程修了卒業 (ノルウェー王国) |
これまでノルウェー、アメリカ、タイ、イラン、ケニヤ、ドイツ、韓国、中国等の諸外国に 滞在しながら作品を制作。 訪れた土地の歴史や文化、そしてそこに暮らす人々との出会い、 交流の中から作品を生み出してきました。 |
滞在制作 | |
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2009 | STUDIO Q2にて滞在制作「海上生活」 (神戸) |
2009 | Clayarch Gimhae Museum金海美術館にて滞在制作 (韓国) |
2010 | Künstlerhaus Güterabfertigungにて滞在制作 (ドイツ連邦共和国) |
2010 | (財)滋賀県立陶芸の森にて招聘作家として滞在制作 (滋賀) |
2011 | 奈良県磯城郡三宅町にて滞在制作 (奈良) |
2012 | 53美術館にて滞在制作 (中華人民共和国) |
個展 | |
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2007 | 「手ヂカラ目ヂカラ心のチカラ」兵庫県立美術館/常設展示室4美術の中のかたち-手で見る造形(神戸) |
2007 | 「かぶれ」<Metamorphosis>CAP HOUSE 310号室 (神戸) |
2008 | 「邂逅」 板宿本通商店街振興組合ビル5階 (神戸) |
2009 | 「海上生活」 STUDIO Q2 (神戸) |
2009 | 「時を写す」 アートスペース かおる (神戸) |
2010 | 「FLIP SIDE」 Kobe-Bremen artist exchange Galerie Herold (ドイツ) |
2011 | 「壺男」山木美術 (大阪) |
2012 | 「芦屋体操第一」 GALERIE ASHIYA SCHULE (芦屋) |
2012 | 「神戸牛とwalk」 山から海へ ギャラリー島田 (神戸) |
2012 | 「神戸牛とwalk」 海から山へ ギャラリー301 (神戸) |
2012 | 「資料室」 "Archives" CAPSTUDIO Y3 403 (神戸) |
グループ展 | |
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2007 | 「NOW&THEN」 Marsi Gallery Suan Pakkad Palace Museum (タイ) |
2008 | 「LEXHIBITION」 L Gallery, F-1 (名古屋) |
2009 | 「Now & New」 Clayarch Gimhae Museum (韓国) |
2009 | 「水都大阪2009」 (大阪) |
2009 | 神戸ビエンナーレ2009招待作家展 「LINKーしなやかな逸脱」 [兵庫県立美術館] (神戸) |
2010 | 「信楽まちなか芸術祭/作家の一語・信楽での一会」 新宮神社 (滋賀) |
2011 | 「OAP彫刻の小径2011 human-humor」 ARTCOURT Gallery (大阪) |
2012 | 「奈良県障害者芸術祭/アートリンクプロジェクト」 奈良県文化会館展示室 (奈良) |
2012 | 「アートピクニックvol.2 呼吸する美術 breathing art」 [芦屋市立美術博物館] (芦屋) |
2012 | 「西宮船坂ビエンナーレ2012 ~結connection ゆう~」 (西宮) |
2012 | 「存在と生活のアート」「『あいだ』からうまれるアート〜アートリンクの実験」 A|A gallery (東京) |
2013 | 「ボーダレスのゆくえ 大阪芸術大学グループ 美の冒険者たち」 [なんばパークス7Fパークスホール] (大阪) |