■会期 2018年9月8日(土)-9月22日(土) 14:00-19:00 火・木休み
ともに人間の想像力をかき立てるものでありながら、それぞれ目指すところを異にするとされるアートと科学。本展は、両者の間での対話を試み、現代人にとっての宇宙空間(outer space)について思考を深めながら、アート表現の新たな可能性を探るものである。展覧会タイトルは、星を眺める行為を語るイソップ物語からの引用。星に魅入られて井戸に落ちた占星術師のアナロジーを引き受けつつ、さまざまなメディアによって疑似的な宇宙体験が身近になったいま、逆にそのことでおおい隠されているものはなにかを問う展示となる。本展は、Waugh Office(英国を拠点とするアートエージェンシー)所属の英国人キュレーター、ジュリア・ウォーがセレクトしたアーティスト(メラニー・キング、エリック・ラスディマ、シーナ・ローズ、セミコンダクター、ジェーン & ルイーズ・ウィルソン)による映像、インスタレーション、写真作品などにより構成される。
Melanie King メラニー・キング 人間および物質と地球環境を超えたところにある現象を結び付けて表現する写真家。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの博士課程で、「Astronomy Ecology」の研究に取り組む。Lumenおよびsuper/colliderといったアートコレクティブのディレクターとして展覧会を行い、テート・モダンで行われる「Tate Exchange」やThe Photographers' Galleryの運営にたずさわる。今回は「Ancient Light」シリーズからの出展となる。 www.melaniek.co.uk |
Eric Lesdema エリック・ラスディマ UN Nikon World Photography Prizeを1997年に受賞し、精力的に制作発表を続けてきた写真家。近年は、ロイ・アスコットが設立したPlanetary Collegiumと共同で「Isotechnography」をテーマに博士研究に取り組む。本展ではその研究成果、および彼の写真集「Drowning The Moon」より展示を行う。 www.practicevonstroheim.org |
Sheena Rose シーナ・ローズ ペインターおよびパフォーマーとして、彼女自身のパーソナルな枠組みを、コミュニケーションにおける経験やその変容において探求する。フルブライト奨学金を受けて制作しており、ニューヨークタイムズや、ヴォーグの記事に紹介された。本展では「The Astronaut」と題するパフォーマンスを米国から行い、ペリスコープにより映像を発信する。 www.sheenaroseart.com |
Semiconductor セミコンダクター セミコンダクターは、ジャーマン & ジョー・ゲルハルトによるアートユニット。世界に存在する物質の性質や、それらを科学技術というレンズを通していかに経験するかを探求する作品を制作する。本年はアート・バーゼルに出展後、シドニー・ビエンナーレに参加。「Black Rain」「Brilliant Noise」の2作品を上映する。 semiconductorfilms.com |
Jane & Louise Wilson ジェーン & ルイーズ・ウィルソン 空間およびテクノロジーの探求を通して表現するアートユニット。1999年にターナー賞にノミネートされ、25年にわたり国際的に活動を続ける。本展では映像作品「Dream Time」を上映予定。 www.303gallery.com/artists/jane-and-louise-wilson/ |
Julia Waugh ジュリア・ウォー(企画) われわれが身体的に理解している空間や、外界とのかかわりといった自明なことに疑問を投げかける写真家でありペインター。現在は、Waugh Officeのディレクターとして美術館やギャラリーでの展覧会を企画し、国際的に活躍する。 waughoffice.com |