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大寺俊紀+乙うたろう「やわらかな脊椎」

キュレーション:長谷川新 (インディペンデントキュレーター)

協力:𡈽方大(インストーラー)

■会期 2017年7月1日(土)~7月22日(土) 14:00-19:00 火・水休み


写真大寺俊紀、西大寺キリスト教会にて、2017
写真乙うたろう、「jpegと幽霊」展にて、2016
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大寺俊紀は1940年生まれの牧師である。彼は60年代にオプアートやジオメトリックアートと呼ばれる一潮流に合流し、以来50年以上にわたって一貫して幾何学抽象画を制作し続けている。抽象絵画が信仰に裏づけられた実践であることは西欧においては珍しいことではないが、大寺の幾何学抽象とキリスト教との結びつきは事後的であり、それゆえの葛藤が存在している。

他方、乙うたろう(前光太郎)はキャラクターの存在や信仰を再検証している作家である。彼は本来二次元の存在であるキャラクターが三次元の立体へと変換される際に身体性を得ることへの疑問から出発し、自作の壺にキャラクターを宿らせる。古代ギリシアは言うに及ばず、人類は壺という形式において、形状、実用性、装飾、色彩それぞれの要素間の緊張関係を保ちながら創作をおこなってきた。

「西洋の絵は脊椎動物であるが、日本の洋画は軟体動物である。骨格がない。」とは外山卯三郎の言葉であるが、ニュージオメトリック・アートグループの中心メンバーである岩中徳次郎が外山のこの発言を再三著書で引用していることは興味深い。外山の二項対立を二人に押し付けようというのではない。大寺俊紀と乙うたろうはそれぞれ独自の信仰のもとで、「やわらかな脊椎」を模索しているのである。

大寺俊紀
1940年生まれ  
1966年-1970年 ニュージオメトリック・アートグループに参加
1980年 アートナウ80(兵庫県立美術館)
1986年~ クリスチャンとして招命され活動を続ける
乙うたろう(前光太郎)
1994年生まれ  
2016年 京都精華大学デザイン学科 卒業