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ファルマコン -医療とエコロジーのアートによる芸術的感化-

参加作家 エヴォーフロリアン・ガデンアンヌ=ソフィ・ヤコノジェレミー・セガール
       石井友人、犬丸暁、大久保美紀、田中美帆、堀園実

企画 大久保美紀(パリ第8大学造形芸術学部講師、キュレーター)

共催 特定非営利活動法人キャズ

協力 The Terminal Kyoto 京都大学こころの未来研究センター

助成 公益財団法人ポーラ美術財団 公益財団法人朝日新聞文化財団

京都会場 The Terminal KYOTO (地図)


■会期 2017年12月1日[金]-23日[土] 9:00-18:00 無休

  • オープニングレセプション:12月1日[金]18:00-21:00 無料
  • ワークショップ「nanimo nai, demo nanika aru」(提案:フロリアン・ガデン、主催:FSRP)
    11月23日、12月18日、その間の任意の日時
    現代のエコロジーと身体と環境のあたらしい関係性に着目するワークショップ 参加無料
    申し込み・詳細は大久保美紀(garcone(@)yahoo.co.jp)までお問い合わせください
  • シンポジウム「ファルマコンとしてのアート:医療・エコロジーのアート再考」
    日時:12月1日14時-18時 会場:ターミナル京都
    講演:吉岡洋/加藤有希子/大久保美紀/ジェレミー・セガール/エヴォー/フロリアン・ガデン

大阪会場 CAS


■会期 2017年12月2日[土]-23日[土] 14:00-19:00 火木休

  • オープニングレセプション/アーティストトーク:12月2日[土]16:00- 参加費500円
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ごあいさつ

 展覧会「ファルマコン:医療とエコロジーアートによる芸術的感化」(Pharmakon : Medical and ecological approaches for artistic sensibilization )は、フランスより5名のアーティストを招き、日本で活躍する3名のアーティストとキュレータ自身を含める9名の作家からなる現代アートのグループ展です。本展覧会は、ターミナル京都(12月1日オープニング)、および特定非営利活動法人キャズ(CAS、12月2日オープニング)にて12月23日まで開催いたします。

 本展覧会「ファルマコン」は、今日の芸術表現が有用性や存在意義を厳しく求められている社会的状況の中で、アートという手段によってこそ実現することのできる社会問題・環境問題への対峙と、芸術表現を通じて他領域への問題提起すること、その意識化の可能性を模索することをめざしています。とりわけ、自然環境と人間の営みの相互的関係や、自然の一部としての人間にとっての先端医療や科学技術の持つべき意味について、芸術的アプローチを介して丁寧に見つめ直すための新しいパースペクティブを提案したいと考えます。

Pharmakon (ファルマコン)とは?

 薬理学の語源であるギリシャ語ファルマコン(Pharmakon=φάρμακον, Greek)は、「薬」=「毒」の両面的意味を併せ持つ興味深い概念です。本展覧会のタイトルとしての「ファルマコン」は、治療薬やドラッグ(remèdes, drogues)を意味すると同時に、染色剤や化粧品などの毒性のあるもの(poisons)を意味するこの言葉の語源に沿って、病が肉体に定着する以前に行なわれる不適切な行為(投薬など)が却って状況を悪化させる可能性を喚起しながら、身体の自然治癒能力と環境へのコミットメントのあり方を巡り、身体のより健全な生き方について考えるようわたしたちを導いてくれるでしょう。さらには、芸術表現は、特定のメッセージとして放たれ、個人や共同体や社会に深く享受されたとき、それがひょっとしてある既存の体制にとってラディカルなものであったとしても、将来の生活や環境に現在のあり方を改善し、それをより好ましい傾向へ向かわせるものとして、つまり「毒=薬」としてふるまうことに着目します。

本展覧会が、芸術領域、専門領域、鑑賞体験という個別のフィールドを超え、それぞれを有機的に結びつけながらダイナミックな対話を生み出す「感化的芸術」(Artistic sensibilization)の機会となるよう願っています。

企画キュレータ : 大久保美紀