■会期 2014年9月27日[土]−10月18日[土]
14:00-19:00 月・火休み
人は人に何かを提供しようとする時、たいていの場合、与え過ぎるか、さもなくば与え足りない。そして何かと理由をつけては続行される。が、与えられる側は、その過剰か不足のどちらか一方だけの記憶と感覚を蓄積する。ここの作品群に満ちる母の「愛」の過剰と、それゆえの緊縛、安穏、息苦しさ。
作者に与える側への反転が起きる。他者/母に向かって溢れる食べ物/花。子は与えることの過剰を知る。母も自らの行為を映像として見るだろう。これは、母と子を「汝が為す」行為の覚知へと導く。ふたりの間の長なす。この映像は引き締まり、そして、おかしみも漂わせる。
食物とは何か。無名で繰り返し生まれるゆえに不死。それを日々食らい続け、母子はその都度の不死を手に入れる。そして与え/与えられる過不足は背景へとしりぞく。
シャギ−な毛に覆われた多産系哺乳類の乳首、のたうつ臍の緒。気が緩むと聞こえて来る母の呼び声。あられもなくむせ返り、あふれるエロス、日々の愛の緊縛。それを露悪的なまでに拡大させた上で、それを更に上回る腕力で、何とか押え込もうとする力技。しかし、それでも残る母子間の距離の失調のめまい(ああ!どうしよう)。
作者は、ここで「それ」をする側に身を反転。食べ物を他者に浴びせ倒し、生花を最大限にソックリカエらせる過剰をばらまいた後、やがて二者の間に登場するもの。それは、人に食べられる運命の中、繰り返し生み出されてくる食材、inmortal。母は子にそれを差し出し、母子は共に不死を食べる。
ふなだ かよ | |
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1979 | 京都府生まれ |
2000 | 京都芸術短期大学染織テキスタイルクラス卒業 |
2002 | 成安造形大学ファイバーアートクラス卒業 |
2004 | 成安造形大学立体造形研究生修了 |
個展 | |
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2002 | Window Gallery Oct(京都)
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2005 | AOAO天窓ギャラリー(京都)
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2008 | reply to mothering(成安造形大学 ギャラリーアートサイト・滋賀) |
2009 | Oギャラリーeyes(大阪)
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2010 | Oギャラリーeyes(大阪)
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2011 | Oギャラリーeyes(大阪)
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2013 | OギャラリーUP・S(東京)、Oギャラリーeyes(大阪) |
2014 | Oギャラリーeyes(大阪) |
グループ展 | |
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2001 | FIBER ART EXHIBITION(Window Gallery Oct・京都)
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2001 | OPPAI ART LABπr事情展“おっぱいキッズサミット”企画展示(ワコール本社ビル・京都) |
2001 | ART ENSEMBLE(大阪ビジネスパーク・大阪)
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2002 | Wool in Wool 2002(小岩井牧場・岩手)
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2002 | 主張テン(Gallery ARTISLONG・京都)
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2003 | MESSAGE IN TEXTILE(Gallery maronie・京都)
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2003 | AQUART2003(西ノ島・島根)
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2004 | MESSAGE IN TEXTILE(Gallery maronie・京都)
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2004 | AQUART2004(西ノ島・島根)
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2005 | MESSAGE IN TEXTILE(Gallery maronie・京都)
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2006 | 京都美術工芸新鋭選抜展(京都文化博物館・京都)
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2006 | MESSAGE IN TEXTILE(Gallery maronie・京都)
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2007 | AQUART2007 in AMAMI ISLAND(奄美大島・鹿児島)
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2010 | SEIAN FRONTIER(成安造形大学 ギャラリーアートサイト・滋賀)
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2010 | 日韓交流展 W-door(CAS・大阪)
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2011 | 日韓交流展 W-door(salon de H・ソウル)
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2011 | 昭和は遠くなりにけり(CAS・大阪)
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2011 | TEXTILE PARTY(cifa・岡山)
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2012 | 私の恥ずかしい作品展 (CAS・大阪) |
2012 | The 13th Anniversary Pre Exihibition「KICKS」(Oギャラリーeyes・大阪) |
2012 | ENERGETIC EXTENSION(Gallery Jung・ソウル) |
2013 | GIRL COVERS:2 (CAS・大阪) |
2013 | The Responsive Eye (海岸通ギャラリーCASO・大阪) |
2014 | パイロットプラント/ドローイング展(CAS・大阪) |